今日は恋愛のことについて書こうと思います。そういえば、今までタブーかのように書いてこなかったなと思って。
2年ほど付き合っていた、彼氏がいました。東京に住んでいて5歳上のひと。
彼とは、小学校からの知り合いで、わたしが小学生の頃に好きだった、いわゆる「初恋の人」でもあった。
彼は、かっこよくて、頼りがいがあって、優しくて、素敵な人だった。なにより、とても素直で正直でまっすぐに生きていることを尊敬していた。告白された時は嬉しくて、でも彼に見合う人になれるか不安で、不思議な気持ちだった。告白された時、素直に、はいと言えず、私でいいのか…みたいなことをモヤモヤ話したのを覚えている。
付き合いたての頃はそれはもう嬉しくて、楽しくて、何するにもワクワクしていた。些細なことでLINEをしていた。
桜が咲いたよ、とか、てんとう虫がいたよ、とか。今日飲み会に行ったら、あなたの名前のお酒があったよ、とか。
そんなどうでもいいこと。たぶん、ありふれたカップルだった。
私も学生だったので、東京に住む彼とは多くても3.4ヶ月に1回くらいしか会えなかったけど、会えた時はすごく楽しかった。
1年半ほどすぎたあたりから、だんだんと連絡頻度が減っていることには、薄々気がついていた。でも、久しぶりに彼に会う時には、彼は変わらず優しくて、たくさんわたしを甘やかしてくれた。だから、その度にやっぱり好きだなあって思った。
返信が遅いとか、連絡がこないとかそういうのも、彼はそういうことが苦手な人なんだ、って思うようにしていた。
そして、そのくらいから、私は彼に対して自分の気持ちを何も言えてないことに気がついていた。自分を取り繕っていて、本音を言えなかったから。
今、何を食べたいとか、何がしたいとか、そういう私の希望よりも、彼に喜んで欲しくて、全ての物事を決めていた。
連絡頻度も、本当は最低でも1日1回はやりとりしたかったけど、それも言えなかった。
「なんで連絡してくれないの」とか、「遠距離だけど将来どう考えてるの」とか。そういうことはもちろん、「会いたい」と彼に言うことすら躊躇していて、重い女と思われないかなと気にしていた。彼とは1日1回LINEやり取り出来ればいい方で、1ヶ月くらい連絡取らずにいることとか、LINE3日未読無視されることもザラだった。
それでも、わたしは彼氏を信じているというより、彼氏を選んだ自分を信じていた。彼を選んだ自分の選択は間違っていないはず。自分が信じた彼は、自分のことをきっと好きで居てくれるはず。
そんなふうに自分の気持ちを誤魔化しながら付き合っていた、とある日。
ちょうど私は東京に用事があり、彼氏に会えるかも、なんて思って彼氏に連絡したら、次の日の朝にこんなLINEが来た。(所々改変しています)
すごく迷ったけど、気持ちを伝えておく。俺ももう少しで△歳になるタイミングでこのままでいいのか考えていました。俺の生活エリアはこのまま東京で変わらないし、○○も変わらないんだと思う。〇〇と進めたらよかったけど、難しいね。
勝手だけど俺が前に進むために、離れようと思う。
会って話そうかとも思ったけど、決意が鈍っても嫌だからLINEにさせてもらった。
向き合い切れなくてごめん。
元彼へ。
晒すような真似してごめんなさい(このブログを見ることは無いと思うけど)
でも、晒して恥かかせようとか、読者に私の味方してもらおうという意図は全くないです…
ただ、当時は複雑すぎて私には扱いきれなかった、自分の気持ちを整理するために、見直したかっただけで。
このLINEをもらったのは朝8時とかで。たしか、仕事に行くために車を運転していた。
LINEにはすぐ気がついて、すぐに見たけど、真っ先に感じたのはもしかしたらショックより怒りだったかもしれない。あまりにも突然で、想像していなかったことすぎて、頭は真っ白だったような。心臓もバクバクしていた気がする。
「あ、私振られたんだ」ってことだけはちゃんと分かって、あとの文章はじっくり見ることができなかった。
ちゃんとLINEを見たのはその日のお昼。
ちょっと整理出来た、というか気持ちが落ち着いた時にもう一度LINEを見た。
やっぱり感じたのは怒りだった気がする。
なんでLINEで報告なんだ、とか。
向き合いきれないっていうか向き合う気がなかっただろ、とか。
生活エリアのことも、言ってくれたら東京で就職とか考えたのに、とか。札幌をでたくないなんて言ってないし、なんなら付き合いたての頃は、彼氏は「札幌に支社があるから…」みたいなことも言っていたのに、とか。
見れば見るほど、考えれば考えるほど、彼氏からのLINEが言い訳じみて見えた。
でも、同時に、私もそうだったな、とも思った。
いいことも、嫌なことも。彼に言おうとはしなかった。嫌われたくなかったから。
将来のことも、重い女だと思われたくなくて何も聞けなかった。
わたしの送る「会いたい」ってLINEが、彼氏にとって嬉しいものなのか、重くて鬱陶しいものなのか、その匙加減すらも、なにも知らなかった。怖くて聞けなかった。どれくらいの頻度の連絡がお互いにとって幸せなのかとか、譲れないところとか。相手の仕事のことや趣味すらも。何も知らなかった。
それは、嫌われるのを恐れすぎて聞けなかったわたしのせいでもあるし、同時に、聞きづらい雰囲気を出していた(LINEの返信が遅いとか、既読無視が多いとかそういうことです)相手のせいでもある。もしかしたら、お互い何かを怖がっていたのかもしれないし、そうではないかもしれない。
今となっては知る由もないけど、今思えば、本当にお互い様だったのだな、と思う。ちょっとずつ、ちょっとずつ、歪みが大きくなっていった。
わたしは、彼氏のことは変わらず好きだったけれど。もう相手の気持ちが私に向いていない時点で、恋人の関係を続けるのは無理だなと思った。別れるしかないのだと、思った。
「なんでいきなり別れ話?」とか「あなたの本当の気持ちは?」と問いただしたい気持ちもあった。
未読無視して、怒ってるフリしようかとか、「好きだったのに」と伝えて少しでも何か引っかかるようなことを残してやりたいとか、そんなことも考えた。
けど、そういう自分の怒りやら悲しさやら、虚しさなどのわたしの一方的な負の気持ちは仕舞い込もう、我慢しようと思えた。わたしが何を言っても、私に気がないことは変えられない、仕方ないのだと思ったし、ここまでいい人で頑張ってきたんだから、最後までいい人でいようと思った。
返信はちょっと悩んで、こんな感じにした。
いいことも悪いことも、そしてこれからのことも含めて、わたしも伝えてない気持ちは沢山あったから、仕方ないのかもと思ってます。あんまり会えなかったけど、色々なことがはじめてで、わたしはすごくたのしかったです。今までありがとう。
最後まで、8割本音、2割建前、って感じだったなあ。8割本音っていうか、10割本音ではあるけど、言えてないことがあと2割あるって感じか(あれ、足して12割になってる)
で、もともと遠距離だったのもあって、そのLINEをした時はそんなに寂しい気持ちにならなかったんだけど。
帰り道に雨が降ってきた時に、その状況も相まって、ほんとに泣きそうになった。多分泣いてはいないと思うけど。ちょうどその日AirPodsを家に忘れていて、聞く音楽もなくって、無性に寂しかった。
彼のこと、好きだったなあとか。結婚するのかなとかぼんやり考えてたのも私だけだったかあ、とか。本当は、他に好きな人が出来たのではないか、とか。
どうしたら良かったんだろうっていうタラレバとか、私にもうすこし魅力があればどうだったのかな、とか。なんか色々ぐるぐる考えたけど、ぱちんとはじけて、全然まとまらなかった。多分、まとめる気もなかったけど。
で、私が返事をした、その日の夜、また彼から返信のLINEがきた。
身勝手な連絡なのに、ありがとうって、〇〇はやさしすぎる。こちらこそありがとう。〇〇が俺の事を好きでい続けてくれて嬉しかった。〇〇はちょっと優しすぎるけど、だからその仕事に就くんだね、きっとたくさんの人を救うんだね。
このLINEを見た瞬間、夜中の12時近くだったけど、めちゃめちゃ泣いてしまった。
くそ。くそ。くそ。むかつく。わたしは大好きだったけど、あなたはそうじゃなかったくせに。勇気出して会いたいって言ったって、3日以上も未読無視して何も返してくれなかったくせに。わたしはこれからもきっと、好きでい続けることが出来た。結局、好きじゃなくなったのはあなたじゃないか。
こちらこそありがとうってなんだよ。わたしがありがとうって言わなきゃいけない義理なんてなかった。ありがとうなんて、言いたくて言ってるわけないだろ。ありがとうって言ってくれてありがとう、って言え。
わたしがどんな思いでこの返事を書いたかなんて、知らないくせに。素直にこれが私の気持ちだと信じて、優しいなんて言って。わたしに、優しさなんて1mmもないのに。わたしだって、言いたい愚痴も、不満も沢山あったのに。
私のこと、なんにも知らないくせに、全部知ってるような書き方して。最後までわたしのことを「優しい人」で終わらせやがって。だからその仕事に就くんだね、なんて適当なことを言うな、全部分かってるようなことを言うな、黙ってろ。
全部が悔しかった。泣いてる自分も、本当に好きだったんだと気がついたことも。
でも、最後まで、やさしい人、物分りのいい人を、演じてしまった。最後くらい、別れるのやだって言いたかったなと思った。でもわたしにそんなことできる訳もなく。
もう彼に返信はできなかった。
LINEの最後は、「身体に気をつけて」で締めくくられてて、本当にこれでもう終わりなんだなと思うと、またちょっと泣けてきてしまった。
そのLINEは、既読無視した。
何が優しさで何が正解かはわからなかったけど、私が返信しないことが、お互いにとって正解だと信じた。本当は、どうしても別れなきゃダメかな、と言いたかったけど。
しばらく泣いた。しばらく泣いて、切り替えようと思うと、なんか惨めでまた泣けた。振られることがこんな虚しいと思わなかった。
泣いて、悲しい気持ちが落ち着いても、なぜか涙は出続けた。
きっと、彼は全く泣いていないのが、また悔しかった。フッたことを後悔させてやりたいと思ったけど、きっと彼は後悔するようなひとじゃないから、それもまた、わたしだけつらいみたいで悲しかった。
散々泣き終わったあと、色々考えて1時間くらいは寝れずにぼ〜っとしていたけど、気がついたら寝ていた。
次の日、朝起きたら、目は腫れていなかった。家族にも多分バレなかった。
友達に振られた話をしたら、『しょうがないって思えるって強いね。』『自分の気持ち閉じ込めてたらよくないよ』、みたいなことを言われたけど、わたしは強くもないし気持ちを閉じ込めたつもりもない。相手に言わないだけで、ちゃんとムカついていたし、悲しかった。
振られた話を笑って話すのも、なんともないフリするのも結構大変だったけど、心配はされたくなかったので、「ほんとムカつくよね」と怒るフリして誤魔化した。心配されるような言葉をかけられる度、思い出して泣きたくなってしまった。
もう金輪際、やさしい人になんてなるもんかと思ったけど、結局やさしい人になりたい、という夢からは抜け出せなかった。
やさしい人になりたい。ひとの気持ちをわかろうとすることをあきらめたくない。わかりたい。
今度は、伝えたいこと、ぜんぶ、余すことなくつたえられるひとと一緒にいたい。
難しいけど。めちゃくちゃ難しいけど。でも頑張りたいなあ。すきなひとの前でも、自分がすきな自分でいられるために。